2019.12.13

「新スタートレック」のパトリック・スチュワート、話題の新シリーズ主演もピカード役はやりたくなかった!?

New York Comic Con 2019 - Day 3
米CBS All Accessで配信中の「スタートレック」シリーズを手掛ける、映画・TVのプロデューサー、アレックス・カーツマンが米誌のインタビューに答え、2020年1月に米国で配信スタートする「Star Trek: Picard(原題)」の裏話を明かした。

「Star Trek: Picard(原題)」は、1987年から7シーズン放送された「新スタートレック」のスピンオフ。英俳優パトリック・スチュワートが演じたU.S.S.エンタープライズD艦長のジャン・リュック・ピカードに焦点を当てた最新作だ。ピカードは、ファンの間で最も支持される「スタートレック」シリーズの艦長の一人に挙げられる人気キャラクターでもある。

カーツマンによれば、CBS All Access副社長のジュリー・マクナマラと「スタートレック」シリーズの展開について話し合った際、「パトリック・スチュワート(ピカード)をもう一度引っ張す」というアイデアが浮かんだのだとか。その思いつきに二人は、すっかり盛り上がったというものの、ファーストコンタクトでのパトリックの答えは「ノー」だった。

「彼は(ピカード役に)戻りたくないと言ったんだ。同じ役を演じるのは御免だとね」

パトリック無しに新シリーズの製作はありない。故にカーツマンはパトリックに最大級の譲歩となる提案をした。脚本段階からの作品参加だ。

「脚本がどう展開するのか、パトリックに大きな大きな発言権を与えた。どうしても彼にイエスと言って欲しかったからね。彼は一度やったことを繰り返すのがイヤなのだから、物語を進めておけばいいと考えたんだ。この作品は『新スタートレック』に影響を受けているし、それを見て育った僕らが手掛けている。けれど、結果的に本家とは全く違う作品になったと言っていい」

パトリックは「新スタートレック」の焼き直しなど、絶対にやりたくない。だから、「Star Trek: Picard(原題)」は、ピカード最後の登場(映画『ネメシス/S.T.X.』)から20年後を描くことにした。当然ながらピカードも歳を取っている。

「『スタートレック』シリーズの中でも、現代風の大人のドラマになる。これまでのシリーズではなかったことだよ。そもそも主人公(ピカード)は現役を一度引退してるんだ。80歳になろうかという男が主人公になる『スタートレック』なんて、これまで存在しなかったからね」

大人の「スタートレック」を目指すにあたり、パトリックとは何度も衝突した。「Star Trek: Picard(原題)」にはボーグ(機械生命の集合体)の登場が明らかになっているが、パトリックはボーグについても、当初は否定的だった。

「パトリックは、ボーグと関わる話はもう(『新スタートレック』で)終わった、そっちに進みたくないと言ったんだ。僕らは、ピカードとボーグの関係が好きだったから、またやりたいとせがんだ。結局、話を行ったり来たりさせて、ボーグの話を取り入れることになった。これまでの『新スタートレック』で見てきたような話ではないし、僕を含め皆が考えていたような話にもなってないよ」

「Star Trek: Picard(原題)」には、パトリックの他、ピューリッツァー賞を受賞した作家マイケル・シェイボンや、女性エッセイストのアイェレット・ウォルドマンら、従来のTVシリーズの脚本会議には珍しい面々が顔を並べた。クセの強い論客を前に、さすがのカーツマンも、会議では進行役に徹するしかなかったとか。

けれど会議がいかに白熱しようとも、皆の気持ちは一つ、これまで無かった「スタートレック」を作りたいという願いだけ。「Star Trek: Picard(原題)」は、まだ同シリーズに馴染みのなかった大人にこそ、楽しめそうな作品だ。

<「vanityfair.com」11月29日/橋本ゆめ子>